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営業のプレイングマネージャーが機能しない理由 — 「売る人」から「売らせる人」への転換

営業マネージャーの多くは、元トップセールスです。そして多くの組織で、トップセールスだった人がマネージャーになった途端、チームの数字も本人のパフォーマンスも伸び悩む —— という現象が起きます。個人で売る力とチームで売らせる力は別のスキルであり、後者は教わる機会がないまま任命されるからです。この記事では、プレイングマネージャーが陥りやすい構造と、マネジメントを機能させるための考え方を紹介します。

「自分でやった方が早い」の罠

プレイングマネージャーの典型的な失敗パターンは、重要な商談をすべて自分で巻き取ることです。短期的には数字が守られますが、(1) メンバーは難しい局面を経験できず育たない、(2) マネージャーの時間が枯渇しチーム全体を見られなくなる、(3) 結果としてマネージャー個人の限界がチームの限界になる —— という悪循環が固定化します。

この罠から抜ける第一歩は、自分の仕事の定義を「売ること」から**「チームが売れる状態を作ること」**に置き換えることです。言葉にすると当たり前ですが、評価や本人の誇りが個人の売上に紐付いたままだと、行動は変わりません。マネージャーの評価設計まで含めて見直す必要があります。

感覚の指導を、再現できる指導に変える

元トップセールスの指導は「俺ならこうする」になりがちです。それが的確であっても、メンバーには「あの人だからできる」としか受け取られず、再現されません。指導を機能させるには、マネージャー自身の暗黙知を言語化する必要があります。

  • 商談の判断基準を言葉にする:「この条件が揃うまで提案に進まない」「この兆候が出たら決裁者に会いに行く」
  • 商談同席は「代わりに売る場」ではなく「基準を見せる場」と位置付け、同席後に何を見ていたかを言語化して渡す
  • 1on1 では結果の詰めではなく、次の商談の作戦を一緒に組み立てる

マネージャー自身にも伴走者が要る

メンバーには上司がいますが、マネージャーの営業判断や育成の悩みを相談できる相手は社内にいないことが多いものです。経営者に相談するには生々しく、メンバーには見せられない。この構造的な孤立が、プレイングへの逃避を加速させます。社外のメンターや伴走者を付け、マネジメントの実践を定期的に振り返る場を持つことは、マネージャーの成長を大きく速めます。

まとめ

プレイングマネージャー問題の本質は、本人の能力不足ではなく、「個人で売るスキル」から「チームで売らせるスキル」への転換を支援する仕組みが組織にないことです。仕事の再定義・暗黙知の言語化・マネージャー自身への伴走の 3 点が転換の鍵になります。PGP の営業支援・組織開発では、営業メンター代行やマネージャーメンタリングを通じて、この転換を実務レベルで支援しています。

よくある質問

  • Q. マネージャーが重要商談を巻き取るのは悪いことですか?+

    短期的には数字を守れますが、メンバーが難しい局面を経験できず育たない、マネージャーの時間が枯渇する、個人の限界がチームの限界になる、という悪循環を固定化します。同席する場合も「代わりに売る場」ではなく「判断基準を見せる場」と位置付け、後で言語化して渡すことが育成につながります。

  • Q. マネージャー自身の相談相手がいません。+

    マネージャーの営業判断や育成の悩みは、経営者にもメンバーにも話しにくく、構造的に孤立しやすいものです。社外のメンターや伴走者と定期的に実践を振り返る場を持つことは、プレイングへの逃避を防ぎ、マネジメントへの転換を速める投資として有効です。

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