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毛髪・異物検査を自動化するには — 目視率を 5% まで下げたアプローチ

食品・化粧品・医薬品の製造現場では、毛髪や微小な異物の混入検査が最終防衛ラインとして目視で行われていることが少なくありません。目視検査は柔軟で立ち上げが早い一方、検査員の疲労による見逃し、人によるばらつき、増産時の人員確保といった構造的な課題を抱えます。この記事では、異物検査を自動化する際の技術的なアプローチと、現実的な進め方を紹介します。

異物検査が「難しい検査」である理由

異物検査の自動化が単純な良否判定より難しいのは、**「何が混入するか事前に分からない」**ためです。傷や欠けのように発生位置や形状の傾向がある欠陥と違い、異物は色・形・大きさ・出現場所が多様です。さらに、毛髪のように細く、背景 (容器や内容物) とのコントラストが低い対象は、従来のルールベース画像処理では検出条件を書き切れないことが多くあります。

セグメンテーションという選択肢

こうした対象に有効なのが、DeepLearning によるセグメンテーション —— 画像を画素単位で「異物らしい領域」と「正常な領域」に塗り分けるアプローチです。ルールとして記述しにくい「毛髪らしさ」「異物らしさ」を学習データから獲得するため、形や位置が不定の対象に強く、検出した領域の形状 (細長さ・面積) を後段の判定に使えるのも利点です。

実例として、PGP が支援した化粧品容器の毛髪検査自動化案件では、チューブボトル内の毛髪異物検査にセグメンテーションを適用し、全数目視だった検査の目視率を 100% から 5% まで削減しました。全自動化に固執せず「機械が明確に判定できるものは機械が確定し、グレーゾーンだけを人が見る」という設計にしたことが、現場で運用できる仕組みにつながっています。

現実的な導入ステップ

異物検査の自動化を検討する際は、次の順序をおすすめします。

  1. 異物サンプルと発生傾向の棚卸し: 過去に流出・発見された異物の種類と頻度を整理する。すべての異物を等しく狙うのではなく、頻度と重大性で優先順位を付ける
  2. 撮像の成立性確認: 照明・光学系を変えて、狙う異物が画像上で顕在化するかを実サンプルで確認する。写らないものは学習しても検出できない
  3. 段階的な自動化: いきなり全自動判定を目指さず、まず「機械が疑わしい箇所を提示し、人が確定する」半自動から始めて、実績データを貯めながら自動確定の範囲を広げる

まとめ

異物検査の自動化は「全部を一気に機械化する」プロジェクトにすると難易度が跳ね上がります。撮像で異物を見える化し、セグメンテーションで疑わしい領域を検出し、人の目はグレーゾーンに集中させる —— この現実的な分担設計が、成果につながる近道です。PGP ではAI 外観検査の構想から現場導入までを一貫して支援しています。検査対象のサンプルをお持ちいただければ、撮像テストからの検討も可能です。

よくある質問

  • Q. 異物検査の自動化で、目視を完全にゼロにできますか?+

    全自動化に固執すると難易度が跳ね上がります。実例として化粧品容器の毛髪検査案件では、機械が明確に判定できるものは機械が確定し、グレーゾーンだけを人が見る設計で、目視率を 100% から 5% まで削減しました。残る 5% に人の目を集中させる方が、検査全体の信頼性も上がります。

  • Q. 毛髪のように細くてコントラストの低い異物でも検出できますか?+

    照明・光学系の設計で異物を画像上で顕在化させた上で、画素単位で異物領域を塗り分ける DeepLearning セグメンテーションを使うアプローチが有効です。ただし撮像で写らないものは学習しても検出できないため、実サンプルでの撮像成立性確認が最初のステップになります。

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