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良品学習と教師あり学習の使い分け — AI 外観検査の手法選定ガイド

AI 外観検査の手法は、大きく「教師あり学習 (欠陥画像を学習する)」と「良品学習ベースの異常検知 (良品だけを学習し、そこから外れたものを異常とする)」に分かれます。どちらを選ぶかは、検査の性質とデータの現実によって決まる重要な設計判断です。この記事では、両者の仕組みの違いと使い分けの基準を整理します。

教師あり学習 —— 「この欠陥を見つけたい」が明確なとき

教師あり学習では、欠陥の画像に「これは傷」「これは異物」とラベルを付けて学習させます。狙う欠陥が明確で、ある程度のサンプル数を集められる場合に強力で、欠陥の種類ごとの分類や、検出感度の欠陥種別ごとの調整も可能です。

弱点はデータ依存です。学習していない種類の欠陥は原理的に検出できないため、「想定外の不良」への備えにはなりません。また、良品率の高い工程では欠陥サンプル収集自体が長期戦になります。

良品学習 (異常検知) —— 「良品でないもの全部」を拾いたいとき

良品学習ベースの異常検知は、良品画像だけを学習し、良品の分布から外れたものを異常として検出します。欠陥サンプルがほぼ集められない工程でも始められ、学習時に想定していなかった未知の異常も拾えるのが最大の強みです。異物混入や突発的な不良モードへの防衛線として優れています。

一方で、「良品からの逸脱」をすべて拾うという性質上、許容すべき良品ばらつき (個体差・ロット差・経時変化) まで異常と判定する過検出が課題になりやすく、良品の多様性をどれだけ学習でカバーできるかが精度を左右します。欠陥の種類を分類したい、欠陥ごとに感度を変えたいという要求にも不向きです。

使い分けと組み合わせの実際

状況向いている手法
狙う欠陥が明確で、サンプルを集められる教師あり学習
欠陥サンプルがほとんど無い良品学習 (異常検知)
未知の異常・想定外の混入に備えたい良品学習 (異常検知)
欠陥種別ごとに分類・感度調整したい教師あり学習
良品のばらつきが非常に大きい教師あり寄り (良品学習は過検出しやすい)

実務では、両者の併用も有力です。頻出する既知の欠陥は教師ありで確実に押さえ、未知の異常への防衛線として良品学習を重ねる。あるいは導入初期は良品学習で立ち上げ、運用で欠陥データが貯まってきたら教師ありモデルを追加する —— データの蓄積とともに構成を進化させる設計です。

まとめ

教師あり学習と良品学習は、優劣ではなく「狙う欠陥の明確さ」と「データの現実」で選ぶものです。そして選択は一度きりではなく、運用でデータが貯まるにつれて最適な構成は変わります。PGP では AI 外観検査の手法選定を、データの現状評価から支援しています。どちらの方式が合うか判断が付かない段階でのご相談も歓迎です。

よくある質問

  • Q. 不良品のサンプルがほとんどありません。AI 検査は無理でしょうか?+

    良品学習ベースの異常検知なら、良品画像だけで立ち上げられます。良品の分布から外れたものを異常として検出するため、学習時に想定していなかった未知の異常も拾えるのが強みです。運用の中で欠陥データが貯まってきたら、教師ありモデルを追加する進化型の構成も取れます。

  • Q. 良品学習で過検出が多発しています。+

    良品学習は「良品からの逸脱」をすべて拾う性質上、個体差・ロット差・経時変化といった許容すべき良品ばらつきを異常と判定しがちです。多様な良品バリエーションを学習データに追加することが根本対策で、それでも収まらない対象は教師あり学習との併用を検討します。

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